简介：人の世における運命の本質とはどのようなものであるのでしょうか？この物語は、戦国時代に生を授かり、血族間の争いに巻き込まれた武田家の五姉妹の間で、敵将との純粋な愛を貫き通した松姫の不思議な運命を描く、壮大なロマンスです。（オープニングナレーションより）

永禄四年（1561年）、武田信玄と上杉謙信が川中島の血戦を繰り広げたその日、信玄は娘の誕生を知り、勝利を導いてくれた守護神として松姫と名付けました。松姫はその後、不思議な運命を歩み始めます。野望に満ちた武田信玄は娘たちを政略的な婚姻に導き、五女の松姫も織田信長の息子、信忠との婚約を結びます。しかし、武田と織田の同盟が崩壊し、敵対する立場に立つことになります。天正十年（1582年）の三月、武田家は滅亡し、松姫は八王子へと逃げ込みます。信忠は弟の勝長に自分の代わりに信長の後継者になることを望み、松姫との再会を約束します。その約束の日が六月二日、辰の刻……。