高校涂鸦

原作は、当時現役の高校教師であった多賀隆子が執筆した同名のエッセイ（読み方「はいすくーるらくしょ」）。このエッセイは、朝日ジャーナルノンフィクション大賞を受賞した作品です。原作では、群馬県立赤城農林高等学校（仮名、モデルは群馬県立勢多農林高等学校）を舞台に、女子進学校から転任してきた女性教師が、穏やかな環境の中で問題行動に陥る高校生たちの性格と、普通科よりランクが低く、学力が困難と見なされる農業高校での日々を綴っています。しかし、ドラマでは舞台が工業高校に変更され、プロデューサーが知人である羽田工業高等学校の1970年代後半から1980年代前半の元生徒に取材を行い、青山学院大学を卒業した新卒の女性教諭が生徒たちと引き起こしたトラブルが、ドラマの第I部の主要なエピソードとなりました。原作のタイトルを引用したに過ぎず、内容は全く異なると言っても過言ではありません。

斉藤由貴が演じる新米教師・諏訪いづみが、不良生徒たちが集まる工業高校に赴任します。最初は生徒たちの圧倒的な存在感に怯えるものの、次第に慣れ、生徒たちもまたいづみに信頼を寄せ始め、お互いに成長していく様子をシリアスかつユーモラスに描いています。斉藤由貴と生徒たちのリアルな演技は大きな好評を博し、またドラマの世界観と完璧に合致するTHE BLUE HEARTSが歌う主題歌「TRAIN-TRAIN」も大ヒットを記録しました。伊東四朗や小林稔侍などのコミカルな演技が脇を固め、高い視聴率を記録しました。また、的場浩司や保坂尚輝（現・保阪尚希）などが生徒役で出演し、このドラマをきっかけに一躍有名となりました。