脊梁

1982年10月12日、日本テレビ系列の「火曜サスペンス劇場」枠（21:02-22:54）で放映された作品に、視聴率は21.4％（ビデオリサーチ調べ、関東地区）を記録しました。

川田トモ子は、村尾宗一の許婚であった。ある晩、トモ子は宗一の部屋に宿泊し、夜中に目が覚めたことに気づきます。目を覚ますと、宗一の姿が見えず、部屋の中で不安に苛まれます。その時の時間は1時25分でした。翌回、トモ子が目を覚ますと、宗一はトモ子にその間はトイレにいたと説明しました。その時刻は2時40分でした。その夜、同町内に住む下井竜右衛門夫婦が残忍な刺殺事件に遭うことで、宗一の一時的な不在がトモ子にとって不安の種となりました。

宗一は、変に疑われると困るからと、トモ子に不在の件を隠すよう頼み、トモ子もこれに同意しました。しかし、宗一の飲み友達である倉岡文平が容疑者として逮捕され、文平は宗一が共犯者であると供述しました。これにより、宗一は警察に連行されることになります。宗一は、犯行の当時はトモ子と一緒にいたことを主張し、無実を訴えます。

トモ子は、宗一のその夜のアリバイを証明する唯一の証人となりました。トモ子は宗一の一時的な不在を誰にも明かしませんでした。警察や検事からの微妙な罠に陥る恐怖心に苛まれながら、年月が流れ、裁判が長引いていきます。家族はトモ子の今後を心配しますが、トモ子は宗一のことを忘れられず、拘置所にいる宗一に食事を続けています。弁護士の小松と須山は、今度こそ宗一を無罪にすると励ますが、苦労を重ねるトモ子の前に、思わぬ挫折が待ち受けています。