烈驹

『はね駒』（はねこんま）は、NHKの朝の連続テレビ小説として、昭和61年（1986年）4月7日から10月4日まで放送されたテレビドラマです。この作品は、明治時代から大正時代に活躍した女性新聞記者の半生を描くものであり、特にその主人公を演じた斉藤由貴が、その前年にアイドルとしての人気を博し、話題を集めました。

ストーリーは、親族の死や日露戦争などの重いテーマを扱っていますが、全体としては軽快な筆触きで展開されています。対照的にオープニングテーマは重厚で深みのある曲調を取り、視聴者からの好評を得ました。視聴率も高く、平均視聴率は41.7%、最高視聴率は49.7%に達しました。

主人公のモデルは、都市社会学者・磯村英一の母であり、女性新聞記者の開拓者とも言われる磯村春子（1877年3月16日～1918年1月31日）です。

概要 [編集]

主人公のりんは、父方の祖父母、両親、兄、妹と共に暮らしていたのに、仙台の東北女学校への進学を希望し、既に決まっていた婚約を自ら破棄しました。一度は父親に見放されながらも、女学校の試験に合格し、給費生として寮生活を送るようになりました。最初は成績が不振で給費が停止される危機に直面しましたが、努力の成果として優秀な成績を収め、卒業後は女学校の教師に就きます。妹の死がきっかけとなり、家族と上京し、女学校時代からの知り合いである小野寺源造と結婚します。子供を授かる幸せな生活が続くかと思われた矢先、源造の商売が失敗し、借金にまみれた日々が続きます。その結果、働くことを決意したりんは、新聞社の見習い記者として働き始め、情熱と行動力を発揮して、女性ならではの視点から書いた記事が注目を集めます。仕事と家庭の両立に苦しみながらも、現場第一線で活躍する記者として成長を遂げていきます。

エピソード [編集]

沢田研二が演じた松浪先生は、主人公の初恋の人でもあり、視聴者からの人気を博しました。主人公が女学校を退学する際は、当初再出演の予定はなかったものの、視聴者からの「死亡したわけではないので、もう一度出演させてほしい」との声が多数寄せられたため、最終回で新聞記者として再登場しました。

主人公の母親役を演じた樹木希林は、このドラマの演技が高く評価され、翌年には第37回芸術選奨文部大臣賞を受賞しました。同時に主演の斉藤由貴も文部大臣新人賞を受賞し、「母娘受賞」という快挙を成し遂げました。

2009年度下半期の『ウェルかめ』のヒロインを演じた倉科カナは、斉藤由貴と同様にミスマガジングランプリ出身者であり、ミスマガジン出身者がヒロインを務めるのは、本作が23年ぶりのことでありました。